猫 お ど り  (小豆曽根)
 小豆曽根の神社は、大きな樹木がうっそうとして生えしげり、昼でも薄暗い境内ですが、その昔は、もっともっとこんもりとして、うすきみわるい位でした。そしてこの境内に、香神様のところにすんでいた猫が一族をひきつれて、やってきてときどき猫踊りをしたと言うのです。附近に狸山という山がありますから、狸の向こうでも張って、月見踊りでもしたのでしょうか。かと思うと、夜な夜なこの下をとおる時に赤ん坊の泣き声が森の中からもれてくると言うのです。
 これは薄気味悪い詣ですね。いずれにしても今から数十年も前のことであります。