石山戦争に行って来た小黒家  (岩方)
 岩方部落に小黒助左工門という旧家があります。そして小黒さんのお家では石山戦争のとき手柄を立てゝ石山本願寺の顕如上人から賜ったという上人真筆で南無阿弥陀仏の六字の名号が三〇〇回書いてある「お宝さま」を蔵しておられるとのことであります。
 これは天正二年(一五七四)、織田信長が石山本願寺を攻めた時、本願寺の顕如上人は、全国の同派の寺によびかけて応援を頼みました。越後の国からも沢山行きましたが、ここ岩方部落からも願念寺派一党三〇〇人を引っれて、大阪石山寺の籠城にくわわって、十一年間もしんぼう強く信長に抵抗し、とうとう信長も本願寺を攻め落とすことが出来ずに仲なおりしました。
 この際に小黒助左工門も参加し、戦功があったので特に顕如上人から「お宝さま」をいただいたというわけです、また、町軽井の小黒清保さんのところには、その時にやはり一緒に賜ったと伝えられる一振りの刀を大切にもつておられます。