船を つないだ大欅  (萬善寺)
 真言宗、萬善寺は大河津村大字萬善寺にあります。この萬善寺は今から千二百五十年程前人皇四十三代元明天皇の和銅年間、越前といいますと福井県ですが、そこのこしじ(越知)山のたいちょうだいとく(泰澄大徳)という高僧が越後の国にやってこられ米山の薬師様をかいき(開基)されその足で国上山に来られて国上寺を開かれました。
 その時泰澄のお弟子に、がぎょうじゃ (臥行者)という憎がいて米山から山を越えて信濃川へ出られ、船で下ってこられた。そして今の萬善寺の寺にあった大欅に船をつなぎまして、そこに船行寺という寺を建てました。
 田の名に「せんぎょうざ田圃」というのがあることからもうなづけましょう。いまなお大欅の根がのこっていて「船つなぎ(繋) の古木」と称しています。
 そして萬善寺は船岡山と号します。