おしょん塚 (五分一) | |
越後線の桐原駅で降りたところが五分一の集落であります。駅前の山を登りつめますと、頂上に塚があります。村人は、おしょん塚とよびならして来ました。直径十一米三〇糎、高さ一米六十五糎をはじめ大小四個の塚があり桜の古木が生え繁っています。いつごろつくられたものか、どうゆう由緒があるのかさっぱりわかりませんが、いつか村人がこの塚を欠いたらその家の人が病気になったという言え伝えがあります。「おしょん塚」 の 「おしょん」はその昔、偉いお坊さんで上人とかよばれる人が亡くなったので、そのお方を葬り「上人の埋められた塚」 つまり「お上人塚」というのが起こりなのではないでしょうか。しかし鰐口部落にゆきますと、「おしょん墓」という蓋がかってあり、これはおしょんという女の墓だということですので或は五分一のおしょん塚も女に関係のある塚かも知れません。いずれにしても弥彦山のよく望める景色のよいところ、誰かの霊が静かに眠っているのでしょう。 * 駅前の山は、土砂が採取されて平地になり、今は住宅団地になっています。 |