仏さまをまつる神社  (木島)
 木島部落の鎮守様は、熊野三社大権現とよばれる神社です。ところが、このお宮様の御神体が何と仏像であります。お宮さまに仏さまをお祀りするなんてずい分おかしな話しですね。これには次のような伝説があるのです。
 今から三百年ほど昔、江戸時代の正徳年間に山伏風の修験者がこの地をおとずれ、大けやきをみて、 「この下に仏像が埋められてある。早く掘つてあげておまつりした方がよい」といって去りました。村人は急いで棒の根もとを掘つてみますと、阿弥陀如来、薬師如来、観世音菩薩と三体が次々と御出世なさいました。村人は驚いて、勿体ないと、さっそく村の鎮守様にまつってしまいました。
 それで木島のお宮には、今も阿弥陀様、薬師様、観音様を御神体として奥殿深くおまつりしてあるとのことであります。
 大正六年、大欅を石で囲み「人や馬がふむともったいない…」と、由来を書いた石碑を立てました。