だ  い  み  坂  (岩方)

 町軽井の方から岩方部落に入ってゆく道に「だいみ坂」と呼んでいるところがあります。
 これは幕末で世の中がざわざわし始めた頃に、だいみという旅まわりのばくち打ちがいましたので、その名がついたのだと、いうことです。ばくちうちのだいみが岩方の茶屋で地方の者を集めて開張しました。
 田舎者とちがいだいみは本職ですから、いくら村の者がはっても、すっかり金をまきあげてしまいました。
負けた輩は口惜しく、夜寝静まった頃、この茶屋にねているだいみを道に引きずり出して、大勢でなぶり殺して、金を取り返したというのであります。
 だいみの血を吸った道はそのまゝ「だいみ坂」として残りました。