屁  ふ  り 坂  (岩方)
 岩方部落に「屁ふり坂」とよばれる坂があります。面白い名ですね、この名のおこりについてこんな話があるんです。
 今から一五〇年はど昔のこと、岩方と本与板との境に一反歩ほどの山がありました。この山は荒れはてた山でありましたが、年貢地なっていましたので、この山を所有すれば高い年貢を納めなければなりません。そこで本与板でも、岩方の方でも引き取る事を遠慮していました。しかしそう放つておけず、とうとう山は岩方村の所有ということに話が決まってしまいました。立ち木の多くあるよい山であれば喜んでひきとるところなんですが、何も生えていない山ですから村人は、ゴウをにやして、この山の坂を登るたびに「こんつら山、こんつら山。」といって棒で山をぶち、屁をふって登ったと言うことであります。
 お可笑な話ですね。