早春のカンナ様
竹森 有坂 慶治
新潟の冬は、雪ばっかではない。オッキな「カンナ様」が、地響き鳴らし、騒ぎまくる。暖冬なんて言われた早春の夜だった。ヨナカだてがね、夕飯おそくたべて、風呂に入ろうとしたとき、いきなり、すごい光と同時に、ものすごい「カンナ様」が鳴った。
子供の頃、「カンナ様」がなると
トショリは
よく「ヘソとられるすけ、はよヘソかくせ」といわれたもんだが、
何十年たった今は、すっかり忘れて、
ヘソもなにも出したまま、
「テレビの線すぐ抜け」
「湯沸かし器の電源切れ」
と脱衣所から怒鳴った。
次の日なに気なく、裏の窓からすぐ裏の山を見ると、太さ一尺のヨウもある大きな杉の木が、背丈の三倍ほどの高い所から折れ、我が家の方に倒れているではないか。
夕べの「カンナ様」は、我が家の真裏に落ちた事が初めてわかり、改めて、オッカンなりました。その「カンナ様」が雪を持って来たのか、毎日雪が降り、何回も除雪車が出動した。
以上
備考
今度「カンナ様」がおちそげな時は、すぐにお電話下さい。カンナ様より、あなたの脱衣所のスタイルをうつしたい。シャッターチャンスですからね。