文字面から言って「痔」とは寺に住いするものに多い疾患なのでしょうか。それとも音からたまたま「寺」が使われたのでしょうか。
 まさか病院でふるさとだよりを書こうとは思いもよらないことで、いつも寺泊の海の色や雲の動き海岸から聞こえる諸々の音、行き詰まれば夜の町へ抜け出して何処へ飛び込んでも一人や二人知った顔があって、何やかや町の噂や話題が耳に飛び込んで来るのに、全く違う環境の中で七時起床九時消灯、食欲のありなしに関係なく時間になれば食事が配ばれ、切り取られた空からの風景は会社らしき四五棟のビルとマンション一、専門学校のビル一、その間を上越新幹線の架線が通っていて、これ又定時に列車が上下線通過してゆく。
 十八日入院十九日手術、今日で六日目、指を折って起算しないと日時もわからない。
 今は祈る思いで通常の便通が出来る日を待っている。
 残暑御自愛を念じつつ。合掌