小波会十月句会詠草
内藤 蓮糸
主病むで
船のからびや望の潮
外山きよし
初潮の
ふくらみてくる渚かな
中村 流瓢
初潮へ
船一勢に漕ぎ出だす
外山 海子
歓声の
はじけ稲刈る学校田
水沢 蕉子
稲刈も
棚田で終る母の故郷
加勢 白汀
晩稲刈り果て
一村の暮れにけり
小島 冬扇
稲刈や
宮居に鎌の日をかへす
江原 汀子
音もなく
霧の幕あく尾瀬の朝
矢尻ゆきを
口あげて
手の届かざる通草かな
石川 致女
御開帳
天界無縫の秋日かな
小形 美代
柘榴熟れ
俄かに力涌くことし
大越碧水子
職人の
瓦踏む音秋高し
小島 温石
立岩に
苔そよげり松失せて
能登 頑牛
残り日や
破れ揚羽の息づかい
竹内 露山
むかと飯さり
今年は夫婦となりし卓
(今月の兼題は初潮と稲刈でし
た。来月は霧と栗です。どうぞ
投句下さい。) |